西野くんの偽カノジョ
なんで…なんで…
って思ったけどそれは一瞬だけで
[少しの間時間下さい。時が来たら全部話します。]
ってあたしが言ってしまったから……
今ははっきり言って付き合っているかさえ分からない状態。
バイトじゃなかったら今すぐ追いかけたい。
それから、西野くんと腕を組んでた女の人を離したい。
でも…それはできない。
だから早くバイトが終わることを祈ることしかできない。
早く早く時が過ぎて欲しい。
「……ラ」
「へ?」
いけない!お客さんが来てるのにボーッとしてた。
「へ?じゃねぇよ。バカ結衣。ガトーショコラくれって言ってんの。」
「あ…はい!すみません。すぐに出します。」
お客さんはお客さんでも葉山先輩だった。
あたしはすぐにしゃがんでショーケースからガトーショコラを取り出してお皿にのせた。