西野くんの偽カノジョ
…大丈夫。
こんなことしょっちゅうあることだよ。
きっと、葵くんの周りにいつも女子がいる中の1人だしあたしになら耐えられる。
だけど、2人はそれだけでは終わらなかった。
葵くんがお弁当を受け取った後に女の子の頭をいつもあたしが泣いた時とかに撫でてくれるように
彼女にも同じように頭を優しく撫でていた。
彼女は照れながら嬉しそうにしていた。
葵くんに頭を撫でてもらえるのは…
「あたしだけだと…思ってたんだけどな…」
だめだ、いつもみたいに耐えらんないや。
「ぐすっ…うー」
あたしは後ろに振り向くと、教室に戻るのをやめて走り出した。
―ドンッ
でもあたしの後ろに歩いていた人がいたみたいで
その人と思いっきりぶつかってしまった。