西野くんの偽カノジョ
「結衣ちゃんって本当に頑張りやさんだよな。
一生懸命にやってるのがすごく伝わってくる。
今はみんなと遅れていても、きっと体育祭の時にはいつもの笑顔で踊ってそう。」
と授業をそっちのけで結衣を見ている。
「確かに。」
俺はそれしか言わなかった。
そして先生に気付かれる前にまた黒板の方を見た。
なぜなら、たとえハルにでもあんまり結衣のことを見てほしくないからだ。
勘の良いハルだったらもしかしたらバレたかもしれないが。
来月の初めに体育祭のイベントがあるから余計に心配だ。
あの天然な結衣のことだからいつ他の男の所に気が変わってしまうか毎日心配でたまらないし
本当にいつもそばに置いておきたくてしょうがない。
でもそんなことは絶対結衣には言わないけど。