西野くんの偽カノジョ
しばらくしてあたしも図書室を出た。
教室に向かう途中、前から仲良さそうに歩いてくる
西野くんとつばきちゃんを見つけて
思わず2人に見つかる前に早く逃げようと思って後ろに引き返そうとしたら
「結衣ちゃん!」
ともうつばきちゃんの視界に入っちゃって逃げられなかった。
「つばきちゃん…」
あたしは2人の姿を見てどうしてもいつもと同じ対応ができなくて暗くなってしまった。
「私、ずっと屋上で待ってたんだよ?
どうして来てくれなかったの?」
どうしてって、そんなの決まってる。
そんなの1番つばきちゃん本人が分かってるはずなのに。
「ごめんね。ちょっとお腹痛くて行けなかったんだ。」
あたしがつばきちゃんに謝ると
つばきちゃんが一瞬クスっと笑った瞬間を見てしまった。