西野くんの偽カノジョ
「そっか。今のすれ違いは2人で解決した方がいいから
俺は深く関わらないつもりだけど、何かあったら遠慮しないで
いつでも連絡して?」
ねっ?と言いながら市川くんはあたしの頭をポンポンとしてくれた。
すれ違いって…
市川君はつばきちゃんと西野くんが付き合っているの知らないのかな?
でも今は話合わせといた方がいいよね。
「ありがとうございます…きゃっ!」
あたしが市川くんにお礼を言った途端、誰かに腕を掴まれて後ろに引き寄せられた。
「あーあ!もう時間切れかよ。」
つまんねぇの!とボヤいている市川くん。
時間切れって西野くんのことだったんだ。
「…結衣だけはだめ。
それがたとえハルだとしても絶対に結衣は渡さない。」
「元に戻ったな。ちゃんと2人で解決しろよ。」
「…分かってる。行くぞ!」
あたしが圧倒されてコクンと頷くと、西野くんはあたしの腕をまた掴んで歩き出した。