プロポーズをさせましょう【完】
「結局、買っちゃったぁ」
諦めようと店を出たけど、やっぱりたくちゃんを喜ばせたい気持ちが勝ったのだ。
次の日、お昼前にたくちゃんのマンションへ向かった。
「おはよ、たくちゃん」
「おはよ、芹」
「誕生日、おめでとう」
「ありがとう」
ニコッと笑いながらたくちゃんはあたしにキスをひとつ落とした。
たくちゃんがあたしの腰に腕を回し、部屋へ入っていく。
あたしはリビングに鞄を置いてキッチンへ向かった。
このキッチンはリビングと対面式だからソファでくつろいでいるたくちゃんを見ながら、お昼の準備と夕飯の下準備をする。
ちなみにお昼ご飯は具たくさんサンドイッチにアボカドサラダ、ニンジンスープに甘さ控えめのコーヒゼリー。
「こんなときくらいどこか食べに行っても良かったのに」
「こんなときだからこそあたしが作りたかったの!!」
普段あまりキッチンに立たないたくちゃんも少し手伝ってくれて、美味しそうなランチが完成した。