プロポーズをさせましょう【完】






「こっ!これはっ!!!」



たくちゃんは驚きすぎて顔が固まっていた。



「『日本の城シリーズ第4巻』っ!!!どこで手に入れたんだ!?」



たくちゃんに商店街での出来事を話すと「商店街かっ!!盲点だったな!!!」と興奮していた。



ある意味、ピアスよりも喜んでない?



まっ、いっか。



たくちゃんがこんなに喜んでくれてるし。



「芹。ありがとう」



「たくちゃんの一番欲しいものをプレゼントできて、あたしも嬉しいよ」




「………なぁ、芹。確かに嬉しいけど、これが一番欲しいものじゃないんだ」




えっ?



一番じゃないの!?



たくちゃんに日本の城以外で欲しいものなんてあるの!?




そんなの知らないよ!?



「芹。それが欲しいんだけど、くれる?」


「物がわからなきゃあげられないよ」


「そうだね」


たくちゃんはクスクスと笑いながら棚の奥から小さな箱を差し出した。


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