プロポーズをさせましょう【完】
時は経ち、たくちゃんの誕生日は明日に迫った今日。
料理に使う材料を買いに商店街へやってきた。
「これで全部、かな?」
買い忘れがないか、メモと睨みっこしながら歩く。
今年の誕生日プレゼントはシンプルだけどお洒落なデザインのピアスにしてみた。
気に入ってくれればいいんだけどな。
材料が大量に入った袋を抱えて家路へと急ぐあたしの足がピタリと止まった。
なんで……
これがこんな普通の商店街に?
あたしが立ち止まった場所は商店街にある古びた本屋。
この商店街はたまに利用するけどこの本屋は来たことがない。
寧ろ、いつも素通り。
そんな本屋にある物を見つけた。
『日本の城シリーズ第4巻』!!!
あの希少価値の高い、幻の4巻!!!
それが何故こんな寂れた本屋に!?