藍色のキミへ
事故からのスタート


救急車とパトカーのサイレンが響き渡る。

野次馬の大群を、押さえるのに必死な警備員さんが横目に入る。


「痛い痛い痛い〜!」

「じっとしてください!!!」


俺、長沢宇宙23歳は事故に遭いました。

横断歩道を渡っていたときに、鈍い衝撃音と痛みに襲われてその場に倒れ込んだ。

事を理解するのに、時間がかかった。
軽自動車にハネられました。

軽自動車の運転手さんが、救急車とパトカーを呼んでくれて今に至る。


足にものすごい激痛が走って、とりあえず叫ぶしかない。

23歳にもなって、恥ずかしいがとにかく痛い。

「今から病院に運びますからね〜」

ゴツい救急隊員が、足を固定しながら言った。


「…はい」

救急車内で、とんでもない会話を耳にした気がした。

「これ、たぶん靭帯いってるし骨も複雑骨折かなにかだから大型のとこに運んで、手術しかないね」

「はい!?」

「受け入れてくれる病院探しますからね〜」

「は、はい…」


どうりで痛いはずだ。
俺は、大袈裟じゃなかった。

野次馬の皆さん。
警察官の皆さん。
警察官の皆さん。
軽自動車の運転手さん。

勘違いしないでくださいね?俺は、大袈裟じゃなかったですよ。
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