藍色のキミへ
「でも、俺がこんなだから………」
申し訳なくて、情けなくて、罪悪感でいっぱいだった。
「病気のことを気にしないで、普通に接してくれて嬉しかったです」
「………だって、中山さんは同じ人間じゃないですか…」
「でも、そうやって接してくれる大人って少ないですから…」
また切なそうに笑った。
なんで、病気で差別しなきゃいけないのか俺には、わからなかった。
みんな同じ人間で、みんな同じで生きているのに。
中山さんは、これまで生きてきた中で沢山の辛い思いをしてきたんだと思う。
だから、こんなに切なそうに笑うんだと思う。
他の理由もあると思うけど、それも理由の1つだと思う。
俺が、守ってあげないと中山さんの心が潰れちゃうかもしれないと勝手に思った。
この気持ちの正体に、気付いたのは、もう少し後のことだった。