藍色のキミへ
そして、またいつもと変わらない1日を過ごし、いつもと変わらない1日が終わろうとしていた。
トイレに行きたくなって怖い車椅子で、なんとかトイレを済ませて病室に戻って来た。
「……っ…っひ…っ…」
藍色の海を見つめながら、嗚咽を漏らして中山さんは泣いていた。
彼女の、弱い部分を見た気がした。
俺は、そっと病室を後にした。
笑顔であんなことを、言っていたけどやっぱり辛かったんだ。
悲しかったんだ。
俺が見た、あの切なそうな笑顔。
あれは、彼女なりの強がりだったんだ。
食べたくても食べれないという、苛立ち。
食べたら危ないという、恐怖。
毎日、それと闘っていたんだ。