藍色のキミへ


「私、はんぶんこしたの初めてです」

「え?小さい頃によくやりませんでしたか?」

「やったことないんです、入院ばっかりで友達も少なかったですし」


中山さんが、切なそうに笑うたびに胸が締め付けられる。

「中山さん、これから俺とはんぶんこしていきませんんか?」

「なにをはんぶんこするんですか?」

「中山さんの悲しいこととか……、苦しいことです」

「はい?」

「俺の楽しいことも、はんぶんこしませんか?悲しいことや苦しいことは、2人で分けた方が楽になると思います!楽しいことや嬉しいことは、2人で分けた方が倍幸せだと思うんです!だから、俺とはんぶんこしましょ?」

「宇宙さん、ありがとうございます……、もしかして泣いていたことバレちゃいましたか?」

「ごめんさい…、さっき見ちゃって…」

「これから、はんぶんこしてもらってもいいですか?」


そう笑った中山さんは、少し幸せそうに見えた気がした。


自分で言ったことだけど、ちょっとクサいななんて思った。
まるでドラマのワンシーンだ。

でも、本気ではんぶんこしたくなったんだ。
もう、あんな切なそうな顔を見るのは嫌だから。
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