藍色のキミへ
すごく仲良くなれたのに、別れは近付いていた。
中山さんと、先生の会話を聞いてしまった。
「…うん、すごく良くなってるね」
「本当ですか!?」
「もうすぐ退院できるね」
「ありがとうございますっ!」
この離れたくない気持ちの正体は、“恋”だ。
昔に1度だけ、体験したことのある恋。
こんなに、愛おしい気持ちにはならなかった。
それだけ、この恋は本気ってことだよね…
だから、中山さんの退院を素直に喜べないでいる。