藍色のキミへ
同じイロ
驚いたことが起きたのは、中山さんが泊まっていった日から数日過ぎたときだった。
仕事の帰り道、また中山さんと遭遇した。
どうやら中山さんは、この道が帰り道のようだ。
ただ、そんな中山さんはこの前と違っていた。
「中山さん…?」
「はい?」
「その髪…」
「染めちゃいました」
綺麗な黒髪だった中山さんの髪の毛は、俺と同じ明るい茶色に染められていた。
「黒髪似合ってたのに、いきなりどうしたんですか?」
「気分転換です、宇宙さんと同じ色にしちゃいました」
「…そうなんですか」
あんなに似合っていた黒髪を、染めてしまうなんて俺には、理解出来なかった。
理由も曖昧だし…。
もしかしたら、理由もなく染めたのかもしれないけど。