藍色のキミへ


「長沢さんは、お名前なんていうんですか?」

初めて中山さんから、話し掛けられてなんだか交友度が深まった気がした。


「ソラです」

「ソラ…?青空のですか?」

「ううん、俺のソラはもっと規模が大きいんです」

「え?」

「“宇宙”って書くんです、俺のソラはね」

「素敵な名前ですねっ!」


中山さんは、すごく俺の名前を褒めてくれた。

また、一気に仲良くなれた気がした。

「食べましょ、冷めちゃいますよ?」

「あ、はいっ」

「「いただきます」」


そして、不思議なことに気付いた。
俺と、中山さんのメニューが違う。

それも大幅に。

「中山さん、俺のご飯とメニュー違いません?」

「これ、私専用のメニューなんです…、だから看護師さんがわざわざ運んできてくれるんです」

「そうなんだ」

気になったけど、それ以上聞けなかった。

すごく切なそうに、中山さんが笑ったから。
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