藍色のキミへ
人がいすぎる満員電車。
ぎゅうぎゅうで、とにかく狭い。
「中山さん、大丈夫ですか?」
「大丈夫です」
満員電車で、中山さんと密着してドキドキする。
「……っ!?」
「どうしたんですか?」
「…なんでもないです」
しばらく満員電車に乗っていると、中山さんが俺の服の裾をぎゅっと握りしめた。
「…中山さん?」
「……っ…宇宙さん…」
潤んだ瞳で何かを訴える中山さん。
俺の服の裾を握りしめた手は、かすかに震えていた。
【満員電車】
【短い制服のスカート】
【声にならない恐怖?嫌悪感?からくる震え】
このキーワードから、想像出来ること。
…………痴漢。
中山さんの近くを見ると、1人の中年男性。
満員電車で痴漢を見付けることは、困難であったがしっかり見えた。
その人の手は、中山さんのスカートの中に伸びていた。