藍色のキミへ
「長沢さん、こんにちは」
「先生、こんにちは」
いつものようにお見舞いに行くと、もう病室に先生がいた。
「中山さんは、どうですか?」
「…まだ意識は、戻りません」
自分の無力さを、改めて実感した。
1番記事を読んでほしい人は、すぐ近くにいるのに……
その人の笑顔は、まだ見れない。
この記事を書いても、中山さんはこの記事を読んでくれない。
中山さん、お願いだから目を覚ましてください。
「…白雪姫みたいなこと、有り得ないよな……」
有り得えないことって、わかってる。
だけど、そんなおとぎ話を信じたかった。
もう、おとぎ話でもなんでもいいから頼りたかった。
藁にもすがる思いって、このことを言うのかもしれない。