藍色のキミへ
心のすきま
中山さんの診察が、一通り終わって病室に入ると中山さんは海を見ていた。
「中山さん?」
「…宇宙さん、ごめんなさい」
「え?」
「私、酷い勘違いしていました」
「どーゆーことですか?」
「…宇宙さんの優しさを、嫌な気遣いだと思ってたんです」
「…中山さんに、見てもらいたい物があるんです」
「なんですか?」
アレルギーの特集記事が載った発売前の雑誌を、中山さんに手渡す。
「この記事宇宙さんが?」
「はい、俺が書いたんです」
「…アレルギーを持ってる人には、救いになる記事だと思います」
「本当ですか?」
「ただ、悲しくなる記事にもなるかもしれない」