藍色のキミへ
アレルギーを持っている人は、食事のたびに死と隣り合わせの恐怖を抱えている。
少なくとも、中山さんはその恐怖と戦っている。
俺には、計り知れない恐怖を。
「長沢~」
独りの考え事の世界から、課長の声で現実の世界に引き戻される。
「はい?」
「お前宛に手紙届いてるよ」
「ありがとうございます」
「アレルギーの記事やるじゃん」
「ありがとうございます!」
その手紙の1枚目には、綺麗な字で子供がアレルギー持ちで悩んでる母親からの励まされたという内容が書いてあった。