藍色のキミへ


「宇宙さん?」

「はい?」

「クマがすごいですよ?もしかして、寝てないんですか?」

「…ちょっと仕事のことで悩んでて……」

「私でいいなら話聞きますよ?」


あの手紙を、中山さんに渡して一通り説明した。


「…なんか、この子の気持ちすごくよくわかります」

「俺も、なんかこの手紙気になって………」

「私と近い匂いがしなくもないです、私も会って話がしてみたいです」


俺だけだと、不安なことが沢山あるけど中山さんと一緒なら大丈夫かもしれない。


それに、アレルギーを持つ子と話せば普段から言えないことをお互いに話せるかもしれない。


これで、俺の意思は固まった。

「長沢さん!ありがとうございます!」

「はんぶんこしただけですよ、お仕事行くんでしょ?いってらっしゃい」

「いってきます!」


心が晴れて、会社に戻って手紙に書いてあった住所に手紙を書いた。


あの手紙に心ひかれたこと。
アレルギーのことについて聞きたいこと。
会ってほしい人がいること。
もし、会ってくれるなら会社に電話してほしいこと。


最後に会社の電話番号を書いて、手紙を出した。


そして、会社に電話がきたのは中山さんが退院して3日後のことだった。



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