藍色のキミへ
本能と理性と勘違い
タマネギを切りながら、色々と考えてみる。
今日の夜のこととか…。
お風呂のこととか…。
今、誰かに頭の中を覗かれたら俺は変態決定だ。
そんな超能力を持った人がいないことを、祈る。
「…!…ん!…宇宙さん!」
「はいっ?」
「血出てますよっ!」
「…いったぁぁぁぁ!」
「今気付いたんですかっ!?」
「…はい」
「そこ座ってください!」
器用に絆創膏を貼ってくれた中山さんの指は、細くて白くて折れてしまいそうだった。
そんな細い指を持っている訳だから、中山さん自身も細い。
身長は、標準くらいだろうけど細い。
スタイルが良すぎて目眩がしそうだ。
そんな細い身体を滅茶苦茶にしてしまいそうな、愚かさに呆れる。
だから、俺をそんな素直な瞳で見つめないでくれ。
「なかなか血止まりませんね」
血に染まる絆創膏を見て中山さんは、呟いた。
「包帯巻きましょうか…」
「包帯!?そんな深いですか?」
「深いです!絆創膏剥がしてください」
「…はい」
なんだかんだ言いながら、包帯を巻いてくれた中山さん。