藍色のキミへ


俺は、本当にその未来を実現したいと思った。
夢のままで終わらせたくなかった。

「私といたら大変なことばっかりですよ?」

「だからなんですか?好きだから一緒にいる、ただそれだけのことです」

また中山さんの大きな瞳から涙がこぼれた。
その涙を優しく拭き取ってぎゅっと抱きしめた。

「愛してる、だからそばにいてよ…藍」

「初めて名前で呼んでくれた…」

嬉しそうに中山さんは呟いて俺のことを抱きしめてくれた。

この幸せを逃がしたくないと本気でそう思った。
ずっとずっと一緒にいたいと思った。

「正直不安なんです、中山さんが、藍が離れていきそうな気がして」

「…私、宇宙さんのそばにいていいんですか?ずっ…」

中山さんの言葉が途中で途切れた。

「藍?」

名前を呼んでも反応がない。
俺を抱きしめていた細い腕は俺から離れ、
中山さんはその場に倒れこんだ。

「藍!?」

苦しそうに息をしながらも彼女の口から出た言葉。

「………す……きっ…」

「俺も好きだから!愛してるから!だからまだ死なせない」

彼女のカバンから薬を手早く取り出して薬を飲まし、
救急車を呼んだ。

まだ死なせない。
まだ一緒にいたい。
もっと幸せにする。
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