君の肌を壊す夜
いつ来ても殺風景な部屋。
「ねえ、大きいベッドとテーブルだけでこの部屋、淋しくないの?」と聞いたあたしに、冷蔵庫に野菜をしまいながらぶっきらぼうに彼が答える。
「最低限の物は揃ってるからね」
大きな窓を閉ざすように閉まっているブライドから
夕陽の明かりが零れてる。
「せっかく夕陽で空が綺麗なんだから、ブライド開けてもいい?」
「どうぞ?」
対面キッチンでやかんにお湯を沸かす優貴は、なんだかいつもと雰囲気が違って見える。