君の肌を壊す夜


「ったく、嫁がこんなにドジだったら兄さんも大変だよな。」


文句を言いながら、それでも優しい彼を


心臓が爆発してしまいそうな気持ちで見つめた。



さっきの思い出は…何?



あたしは



優貴を知っていた?



頭の中が混乱する。





あたしの視線に気がついた優貴は、困ったように笑う。


「何?俺がカッコイイからってそんなに見んなよ。」


そんな冗談に笑いを返せるほど


今のあたしは冷静さを失っていた。


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