君の肌を壊す夜
「なんだよ。俺、一人でボケて恥ずかしいじゃん。」なんて言いながらタオルを取りに行こうとした優貴が
体勢を変えた時
彼の後ろに見えた真っ白な棚。
茶葉の入ったビンがこ綺麗に並んでいた。
あたしは
この光景を
知っている。
「ああそれ?茶葉を集めてんの。
前に付き合ってた彼女のためだったんだけど、今では俺の趣味。
良かったら興味あるお茶、少しあげようか?」
棚からビンを取り出してあたしにかざして見せる。
そんな優貴を見ていたら
理由の分からない涙がとめどなく溢れてきて、どうしようもなかった。