君の肌を壊す夜



「ち…違うのっ

そんなんじゃなくて…」



「帰れよっっ!!」


あたしの言葉を優貴の怒鳴り声が遮り


あたしは


初めて見せる優貴のそんな姿に、息を飲んだ。



初めて彼を恐いと思った。




「…これ以上、兄さんを裏切るのは止めろよ。」


小さく呟きうなだれた彼の姿を見て



あたしには、何も言う権利が無い事を思い知らされた。




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