君の肌を壊す夜



紗雪が姿をくらましたのは…



俺から逃げるため?




本当はいなくなったと見せかけて


兄さんと寄りを戻していた…?



背中に感じる彼女の温度。


耳元で何度も繰り返し呼ぶのは兄さんの名前。



首に絡む左手の薬指には…指輪。




あの日



全てを捨てて



逃げようって言ったのに



貴女が棄てたのは俺の事だったんだね…。




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