君の肌を壊す夜



彼女の隣に潜ると


静かに溢れた涙が枕を濡らしていく。



「情けないな…マジで。

こんなに情けなくなるほど…

貴女を愛してるのに…」




「頭…痛いよぉ。」



不意に聞こえた声。


首に絡まる細い腕。


思わず


あの頃のように


貴女の髪を撫でていた。



俺を見て驚いた彼女。



精一杯の皮肉を込めて笑った。



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