君の肌を壊す夜
「タダで介抱してもらえるとでも思った?」



試すように笑った。


俺を見て震える貴女を強く抱きしめる。



離したくない。


もし、どんな事情があったのかは分からないけれど

俺に関する記憶を本当に失っているなら


もう一度


奪うよ?



高鳴る貴女の鼓動を肌で感じながら



いつかの夜を思い出していた。



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