君の肌を壊す夜


「花梨しかいないのっ…」


彼女の手を必死に握りしめたあたしに


少し黙り込んでいた彼女だったけれど


「話し、長くなるよ」と溜め息混じりに呟いた。


「覚悟してる」と苦笑いを返したけれど


真実を知るのが恐くないわけでは無かった。


けど


自分自身の事を知らないで過ごす事のほうがよっぽど恐い気がするんだ…



あたしは知りたい。



なぜ



フラッシュバックした記憶の中に



優貴の姿があったのかを…



< 175 / 250 >

この作品をシェア

pagetop