君の肌を壊す夜



中から目を真っ赤に腫れさせた彼女が申し訳なさそうに顔を見せた。


「何か…あったの?」


彼女を見た瞬間に言い知れない不安が襲ったんだ。


普段、腹立つくらい明るくて前向きな彼女のそんな姿を初めて見たから。


そんな彼女があたしに抱き着いて泣いたんだ。


声をあげて


子供みたいに。



ギュッと抱きしめた。



紗雪が落ち着くまで。


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