君の肌を壊す夜
「無理…別れられない。」
カタカタと小さな音を立てて震える彼女が
捕らえられた小動物のようにか弱くて脆く見えた。
あたしその肩を抱き寄せながら大丈夫だよって繰り返し呟いたけど。
「殺されちゃう」と震えた紗雪の言葉に耳を疑ったあたし。
「…大袈裟でしょ。」
そう言いながら
もともと、死んだ彼女と紗雪を重ねて結婚したがってた奴だから
それを単なる大袈裟な事ととらえても大丈夫なものかと
紗雪の話しを聞いてるうちに私も恐くなって震えていた。