君の肌を壊す夜



「紗雪っ!!」


周囲の目もはばからずに、彼女のいる病室に飛び込んだ私。


息もきれて何がなんだか分からない私を見つけて


出会った頃のように清々しい笑顔を見せた彼女。


あたしは元気そうな彼女を見た瞬間に拍子抜けしてその場に座り込んだ。



「ごめんね、驚いたでしょ?」数日前に駆け落ちした人とは思えない屈託ない笑顔。


付き添っていた彼女の両親が不思議そうに聞いたんだ。


< 195 / 250 >

この作品をシェア

pagetop