君の肌を壊す夜
「この街の風景を見ているとなんだか悲しくなる。」
病室の窓から
夕陽に染まる街を見ながら紗雪が呟いた。
そうだね。
この街の空気は
紗雪には重たすぎるよね。
「っもう、上司とうまくやれなくて職場辞めたんだから、次の街では楽しみなよ?」
からかうように笑った私。
「そうだったんだねぇ…あんまり覚えてないけど。」
「思い出す必要は無いよ。」
「それくらい酷い上司だったっけ?」
「そこまで酷くはないかもしんないけど、思い出す必要がないくらいの存在かもね」
最後は作り話しに花を咲かせて
何も知らない彼女と笑いあった。