君の肌を壊す夜



花梨と、また会う約束をして


駅に向かった。



「えっと…片道の切符は…」


料金表を見ながらもたもたする。


地味に苦手なんだ。


一人で電車に乗るのとか。


方向音痴だし。




「そっちの改札口は逆だよ? 」


背中から不意に聞こえた声


振り向いた。


その時


無表情に


あたしを見つめる大翔が立っていた。



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