君の肌を壊す夜



「また…俺を裏切るの?

また、俺を孤独にするの?」


「…それ、どっちの紗雪に言ってるの?」


「紗雪は一人だよ…

俺の紗雪は二人もいない…」


じりじりと


近づいて来る彼。



「初めて手を繋いだのは高校1年の時だったよね…


君の優しさ…


居場所の無い俺には、天使のようだった。」


「何の話し?あたし達が出会ったのは…」


言いかけて自分の口を両手で覆った。


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