君の肌を壊す夜


「一緒に…逃げようって言ったのに…

優貴を置いてしまった事。」


あたしの言葉に目を丸くした彼。


「…思い出してくれたの?」


「親友から聞いたの…

思い出したわけじゃない。」


「そう…」


「でもね…心はちゃんと思い出したよ。」


「どういう…意味?」


彼の手を取って自分の心臓の上に重ねた。


「あたしの心…初めて会った…

再会した夜から優貴に反応してるんだ」


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