君の肌を壊す夜


「逃げないよ…」


「それでも兄さんを選ぶの…?」


「違う。

大翔と向き合わなきゃ。

だから…

あたしと闘って?」


そう…


あたしはもう逃げたくない。



神様は見ている。



どこに逃げたって同じなんだ。



この手を離したくない。


この手を失いたくない。



少しの沈黙。


あたしを見て微笑む彼。


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