君の肌を壊す夜



強く強く抱きしめあった。


触れる温度が逃げてしまわないように


もう離れないように


もう迷わないように


もう失わないように



「愛してる」



そっと囁いた優貴が照れ臭そうに付け加えた。



「全部、終わったら

もう、壊れるくらい貴女を抱きしめるから」


もう


あたしは今でも壊れそうなくらいなのに


このすれ違い続けた3年を


早く早く取り戻したくて



どうしようもない。




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