君の肌を壊す夜



ドアに鍵を差し込んだ瞬間の違和感。


「鍵…空いてる」


まさか


大翔が…?



「危ないから下がってて…」


優貴がそう言った時には既に遅かった。


勢い良く開いた扉



まるで細切れのように見えた。



虚ろな瞳で


泣き叫びながら飛び出して来た彼の右手には


包丁が光っていて


押しのけられた優貴


一瞬のことで身動きをとれずに硬まるこの身体


お腹の辺りに鋭い痛みが走った。





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