君の肌を壊す夜


父親の隣に座って、悪戯な笑顔を浮かべながらあたしを見つめる彼。



細身で黒い髪がよく似合う…


意地悪なくせに優しい…


あたしは…彼を知っている。



彼は…


あの夜の…






彼を見た瞬間、身動き一つとれずに身体が硬直した。


「紗雪…?」


大翔の声が聞こえて、心臓が跳びはねるのを、必死に隠しながら


挨拶をした。




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