君の肌を壊す夜



「貴女だって兄さんを裏切ったんだ。

俺達、共犯だろ?」


笑った彼の笑顔が…

言葉が…


無数の針になってあたしの心に突き刺さる。



「あたしは…もう二度と、彼を裏切ったりなんかしない」


精一杯、振り絞った声は弱々しく震えていて


それでも涙ぐんだ目で彼を睨みつけると、コーヒー代を叩きつけるようにテーブルに置いた。



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