君の肌を壊す夜

「覚えてない?三年前のこと…?」


三年前…?あたしが大翔と出会っ頃だ。


小さく首を振るあたしを彼はため息混じりに「やっぱり」と言った。


「俺は覚えてるよ…。

貴女に恋をしたあの日を」


あたしから視線を逸らした優貴は冷蔵庫からビールを取り出しベッドに座った。


あたしは立ちすくんだまま、淋しそうに話す彼の姿を見てるだけで精一杯で


手に持っていたタオルをぎゅうっと握りしめた。



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