君の肌を壊す夜



携帯を耳にあてると、数回のコール音の後に眠そうな大翔の声がした。


『紗雪…?どうした?』


「今、どこ?」


『どこって…出張先のホテルだけど?』


「…会いたいの」


『珍しいね紗雪がそんな事を言うなんて…

明日には帰るから。明日会おう?』


「今すぐ会いたいの…」


少しの沈黙。


大翔はきっと、あからさまに嫌な顔をしているだろう。


そんなの3年も付き合えば見なくても分かる。


< 68 / 250 >

この作品をシェア

pagetop