君の肌を壊す夜



朝になっても


帰りの電車の中でも


あたし達の間に会話は無かった。


電車の中で静かに流れる景色を見ながら



あたしは



あたしの犯した罪の重たさと


大翔の隠す罪の重たさを天秤にかけていた。




「…家まで送る。」


駅のホームで気まずそうに言った彼にあたしは首を横に振ると。


ぐちゃぐちゃに握り潰したあの写真を彼のスーツのポケットに入れた。


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