君の肌を壊す夜



とぼとぼと、家に帰るまでにどれくらいの時間がかかったんだろ?


数分で着いた気もすれば何時間もかかった気がする。


「風が冷たいな…。」


もうそろそろ秋がくる。


大翔との入籍日も近付いている…。



部屋の前に人影を見つけて、思わず大翔だと勘違いをした体が、一瞬ビクついた。



「…優貴?」


「…お帰り。」


あたしを見つけて、優しく微笑んだ彼。



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