君の肌を壊す夜
挑発的な優貴の声色に、一瞬でキレた大翔が怒鳴り声をあげながら優貴の胸ぐらに掴みかかった。
「っっざけんな!!」
勢い任せに大翔が拳を握りしめたのを
優貴の背中から見たあたしは、自分でも気がつかないうちに、優貴を庇って前に出ていた。
ゴッッッ!!
左頬に、目をくらますほどの衝撃。
「紗雪っっ!!」
あたしを呼ぶ二人の声が遠くに聞こえた気がしたけど
あたしの目の前は真っ暗闇の世界に引きずりこまれてそのまま意識を失った。