君の肌を壊す夜


「じゃあ何で俺を庇ったりなんかしたの?」


それは…あの時、大翔が優貴を殴ろうとしたのが見えて咄嗟にとった行動だ…。


その理由なんか分かるわけがない。


「なんで…あんなに涙を零しながら俺の胸に抱き着いてきた?!」


優貴の声が断末魔のように悲痛な叫びに聞こえたのは


あたしを覗き込んだその瞳が今にも泣き出してしまいそうに見えたから。


チクんと痛む胸。



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