君の肌を壊す夜



ただ


静かな部屋に響いたのが優貴の鼓動なのか


あたしの鼓動なのか分からないくらい


あたしは動揺していた。



「何を…言ってるの?

…優貴とあたしが結婚の約束?」



そんなの嘘だと言いたい。



言いたいけど…




「俺は知ってるよ。

貴女には24歳の頃の一年分の記憶が無いはずだ…」



優貴の言葉に驚いたあたしは思わず彼の腕を振りほどいて


爆発しそうな心臓が出てしまわないように口を両手で覆った。



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