私をカメパに連れてって!!【仮面de企画】
受付のあいつ
やがてベンツは鹿鳴館倶楽部の前で止まった
私は運転手さんが開けてくれる車の扉から、意を決して降りる
降りた私に運転手さんが『良いクリスマスを』っと言うので、それに笑顔で答えようと思ったけれど鉄仮面のせいで表情がわからないから
「オッス」っとだけ言うと、運転手さんはまた楽しそうに笑った
もしかして私の運命の相手ってこの人だったりして
周りには沢山の人
ここもまたクリスマスのイルミネーションで飾り立てられていた
私を見てギョッとする人
笑う人
指差す人
そのどれも不思議と気にはならなかった
今は本当の私
心の仮面は取っ払っている
そう思うだけで自然と背筋は伸びていた
堂々としていれば、周りもそれ以上は気にしないもので
いや、私以外にも仮面とも仮装ともつかない格好をしている人がそこかしこでいるからだろう